一日は、誰にとっても二十四時間です。忙しい人も。ゆっくり暮らす人も。子どもも、大人も。時間だけは、誰にでも平等に流れています。
だから私たちは、ときどき「時間を増やしたい」と思ってしまいます。あと一時間あれば。もう少し余裕があれば。そう願ったことは、一度や二度ではないはずです。私自身、木と向き合う仕事をしていると、もっと時間があれば、と思う瞬間が何度もあります。
でも、本当は時間を増やすことはできません。どれだけ願っても、一日は二十四時間のままです。
【写真①ここに挿入 / 検索語:morning light window calm】
私たちにできるのは、時間の過ごし方を選ぶことだけです。
慌ただしく一日が終わる日もあります。何をしたのかもよく覚えていないまま、気づけば夜になっている。そんな日が、誰にでもあると思います。
一方で、同じ一日なのに、不思議なくらい満たされた気持ちで眠りにつける日もあります。その違いは、時間の長さではありません。どんな時間を過ごしたかです。
朝、窓を開けて深呼吸をする。お気に入りの椅子で一息つく。家族と食卓を囲む。静かな寝室で眠る。
【写真②ここに挿入 / 検索語:chair by window light】
どれも特別な出来事ではありません。ニュースになるようなことでも、誰かに自慢できるようなことでもない。けれど、その小さな時間の積み重ねが、暮らしを整え、人生を豊かにしてくれる。私は、家具をつくりながら、そのことを何度も教えられてきました。
時間は増やせません。
だからこそ、私たちは時間を大切にしたいと思っています。一日の中に流れる時間そのものを変えることはできなくても、その時間の質は、身の回りにあるものひとつで、静かに変わっていくものです。
【写真③ここに挿入 / 検索語:wooden table chair home light】
家具をつくる理由も、そこにあります。
一脚の椅子が、一枚のテーブルが、暮らしの中に少しだけ心地よい時間を増やしてくれること。それが、私たちの願いです。