同じ樹種でつくられた家具でも、まったく同じ木目はありません。まっすぐ伸びた木目。ゆるやかに流れる木目。節のまわりに描かれる美しい曲線。一本の木が育った環境や年月が、そのまま模様になって現れます。
【写真①ここに挿入 / 検索語:wood grain texture close up】
山の風。降り注ぐ雨。長い冬。あたたかな春。木目は、木が歩んできた時間の記録です。長く木と向き合っていると、板を一枚見ただけで、その木がどんな場所で、どんな年月を過ごしてきたのか、なんとなく想像がつくようになります。木目は、私たちにとって、いちばん正直な履歴書のようなものです。
だから私たちは、木目を「柄」とは呼びません。
その木だけが持つ個性だと考えています。節があることも、色に少し違いがあることも、自然が生み出した証です。均一ではないからこそ、美しい。同じではないからこそ、愛着が湧く。
【写真②ここに挿入 / 検索語:wood knot natural detail】
木を選ぶとき、私たちはその木目をできるだけ活かせる形を考えます。無理に隠したり、揃えたりするのではなく、その木が元々持っている表情を、家具という形の中でどう見せるか。そこに、いちばん時間をかけていると言ってもいいかもしれません。
人も同じかもしれません。
一人ひとり違うからこそ、その人らしさがあります。
【写真③ここに挿入 / 検索語:wooden furniture natural grain】
家具もまた、一つとして同じものはありません。
だからこそ、自分だけの一台と出会う喜びがあるのだと思います。